| アナザー・デイ ANOTHER DAY オウ・ウーマン・オウ・ホワイ OH WOMAN , OH WHY |
ポール・マッカートニー PAUL McCARTNEY | ||||||||||||||||||||||||
| APPLE AR-2771 東芝音楽工業 '70年発売 | |||||||||||||||||||||||||
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100円玉4枚をギュッと握りしめ、少年はレコード屋に向かった。 「えーっと・・A、B、C・・・O、P、ここだ！んー・・・アナザー、アナザー・・・・・・あーっ！ない！」 もう一軒のレコード屋に行ったが、やはりなかった。 「すいませ〜ん！ポール・マッカートニーの『アナザー・デイ』ください」 「へい！ポール・マッカートニーの『あなただけを』ですね！」 「ちがいます！アナザー・デイですっ！！」 「へっ？？・・・あなたーでー・・・？」 「ア・ナ・ザー・デ・イ・・・です！」 「？？？あなたーでぃ？？？？」 「・・・・・・・・そ・・・そうでしゅ・・・・・・・」 で、探してくれたけど見つからなかった。 「ちょっと待ってね。いま調べるから。えーっと、ポール・マッカートニーの『あなたーでぃ』、『あなたーでぃ』・・・あー！まだ発売されてないですよ。○月○日発売です」 数日後、待ちに待ったレコードに針を置いた。 「♪エブリテ”ブッ！”、♪モーニンバチュ”ブッ！”♪・・・・・・”ブッ！”♪・・・・・”ブッ！”♪・・・・・・・・・”ブブブのブーッ！”・・・♪」 吹き出したわけではなく、オナラをしたわけでもない。針がとびまくりだった。 このレコードにはベースの音が強烈に録音されているので、性能の悪いプレーヤーでかけると簡単に針がとんでしまうのである。 いなかっぺ大将の「風大左衛門」が流すような大粒の涙が流れ出てきそうな心境だった。 買った店に行き「このレコード針がとぶんですけど･･･」 「？？どれどれ・・・」 店に置いてあったプレーヤーでかけてもらった。 「・・・・・・・んー、とびませんねぇ♪・・・」 再び「風大左衛門」の心境になってしまい、重い足取りで家に帰った。 20ヶ所以上でとんだであろうこのレコードは、4分近くもある曲なのに、少年のすっとこどっこいプレーヤーでかけると2分くらいで終わってしまうのである。 しまいには、とぶ個所を身体が覚えてしまい、そこに来るとカートリッジの取っ手部分を指でそっと押さえ、とばないようにする技を身に付けてしまった。 そのような状態が1〜2年くらいは続いたが、きちんとしたプレーヤーを手に入れ、ようやくその必要がなくなり安心して聴けるようになったのであった。 めでたし、めでたし。 2009/10/01 |
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| ♪ アナザー・デイ | ♪ オウ・ウーマン・オウ・ホワイ | ||||||||||||||||||||||||
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